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倒れた人を見かけたら、人を助けるための新しいやりかた

出掛けた先で人が倒れていたらどうすれば良いでしょうか?
今回は、あるアイテムを使用して人を助ける効率的なやり方を紹介したいと思います。

今回必要となるのは運転免許を持っていてかつ、アップルウォッチがある人という条件になってしまいます。
アップルウォッチがなくても、心拍数の計測ができるガジェットがあれば問題ありません。

注意点は、あくまで応用技であり、自分自身は医者ではないので医療や治療
正規の正しい方法ではありません。

あくまでアイデアや今後の一般市民ができる助ける手段を検討してもらいたいという
願いをこめてやっていきたいと思います。

前半はガイドラインの紹介になるので
知ってるからは後半から読んでいただければと思います。

主な参考情報:JRC蘇生ガイドライン2020

何故運転免許を持っていないとダメなのか

理由は、運転免許を取得している人が必ず受けた科目があるからです。
察しのいい人は気付いていると思いますが、免許取得の際に習った講習の知識が
役立つからです。

もちろん、運転免許を持っていなくても、調べて理解することは可能です。
しかし知識だけでは身体が動かないという経験も踏まえて講習で習う知識と実習に意味があると感じているからです。

プチパニックでは知識が出て来ない

倒れている人を見付けたことはありますか?
僕は何度かあります。
そこでは実際に動けたこともありますが、動けなかった経験もあります。
動けなかった時はたいてい自分自身が小さなパニックを起こしてました。

そしてパニック中は知識が出てきません。
知識が出て来なければ事前に学習していてもあまり意味がないのが
こういった状況です。

だからこそ、実習体験が役立つと感じています。
軍隊にトレーニングも全ては緊張状態でも行動できるようになるために設計されています。

それは実際に身体を動かすことです。
知識と身体は連動していますが別ものです。
実際の経験ですが身体が動けば、冷静さは回復します。

パニックで頭がいっぱいいっぱいならば身体を動かし
頭を冷静にさせるためにも実習は役立つと感じています。

その中で分かったことは
パニックの発生原因は二つです。
一つは簡単です。

自分自身がパニックになっている

自分の性格や経験不足、トレーニング不足などでパニックは発生します。

自分自身が事故を起こしていなくても、倒れている人を発見したなど
普段ない状況というだけでパニックは簡単に起こるのです。

このパニックはトレーニングや瞑想など経験を積むなどで発生を抑えられます。

環境がパニックを作る

これが二つ目の要因です。
パニックは人が沢山いると発生します。
人の考えはバラバラです。
そこに居合わせた人の関係性はありません。

すると互いの意見がぶつかり合う場合があります。
どの意見にも正しさがある場合、状況が混乱しはじめます。

このような中で一番危険なのは、
状況の混乱が続き誰も対処や処置できなくなることです。

意見をぶつけ合うのは現場では最小限にすべきです。
互いに無知であるならなおさらです。

パニックに巻き込まれると、自分自身も同じように
意見を出すだけで状況が止まってしまいます。

そのような状況にならないためには
強いリーダーシップが必要になります。

強いリーダーシップを支えるのが経験と知識です。
知識と経験がないと他の意見を退けることは難しくなります。

それらのパニックに巻き込まれないためにも
運転免許の講習で体験したことや
得た知識が最低限必要になるのではと感じています。

応急救護

運転免許を取得する時に習うの必須科目の内容です。
車での事故で怪我をさせてしまった
怪我をしている人を発見したときの対処を学ぶ講座になっています。

主に、座学と実習の両方があります。

そこで学ぶのは、事故発見時の対処と連絡、現場での救護処置になります。
実際の処置として習うのは、人工呼吸と心臓マッサージ(胸骨圧迫)です。

全体を通して習うのは一次救命の方法です。この一次救命の元のリソースは
JRC蘇生ガイドラインから講習に活用している流れです。

JRC蘇生ガイドラインは5年ごとに更新されるため
内容が違うと感じるかもしれません。

今回はJRC蘇生ガイドライン2020をベースに紹介します。

JRC蘇生ガイドライン2020

・現場の安全確認
・意識の確認
・119番通報と周囲への応援(AEDや心臓マッサージの交代などの依頼)
・呼吸の確認
・心臓マッサージ
・可能なら人工呼吸
・AED装着
・心臓マッサージ/可能なら人工呼吸

このような内容になっています。
そして蘇生ガイドラインで実現したいことは何か。
実はシンプルに一つだけなのです。
それが

身体に酸素を送り続けること

これだけです。
これを実現することが蘇生ガイドラインの目標になっています。
それを実現する逆算的なマニュアルになっているのです。

心臓マッサージは心臓が止まっていても
心臓を動かすことで身体に酸素を送るために行います。

人の死とは

人間の死は細胞が死ぬことです。
そのために心臓が動いていなくても心臓マッサージを行います。
心臓が止まっているから死んでるとは違います。

心臓マッサージをし続ける限り死ではありません。
だからこそ諦めず、全身の細胞を活かすために心臓マッサージを行い
酸素を身体中に届けます。

AEDの役目

心臓が動いているのを確認するためにAEDがあります。
AEDのメイン機能はあの電気ショックではありません。
心臓のモニタリングがメインです。

実は電気ショックをしたから生き返るというのは
ほぼファンダジーだと思って下さい。

大切なのは心臓マッサージで
救急車が到着するまで身体に酸素を送り続けてあげることです。

意識や呼吸、心臓が仮に動いていなくても
身体に血液を送ることが大切なのです。

呼吸の確認は、人ができる心臓が動く判断

AEDが到着するまでに心臓マッサージをしないのはよくありません。

カーラーの救命曲線を見ても分かるように、
心臓停止からの死亡率の時間経過を見ても時間がないのがわかるはずです。

だからこそ心臓マッサージが必要かどうか機械ではなく
人が判断する方法として呼吸の確認があります。

呼吸が感じられない場合は心臓マッサージをしましょう。
仮に間違っても大丈夫です。

心臓マッサージはかなり痛い行為なので、
間違っていれば痛みで本人の何らかの反応があるはずです。

到着に時間のかかるものを先に済ませる

先に119通報やAEDの手配を進めます。
心臓マッサージだけで人が助かることはまずありません。
専門的な治療や検査は必ず必要ですし、なるべくはやく医者に診てもらうのが
僕達にできることです。

そのために時間のかかることを先に済ませます。
119番通報などが最初にあるのはそのためです。

意識の確認は状況判断のため

意識があれば心臓マッサージは必要ありません。
ですが、状況判断が非常に難しくなります。

意識がある場合のフローは状況により多岐にわたってしまうため
マニュアルを作ることが難しいのが現状です。

ですがそれだと助けにならないので、一つシンプルな答えは
110番と119番には連絡し到着まで待つことです。

判断が出来なければできる人に引き継きましょう。
倒れている人が会話できていても、時間経過とともに
体調が急激に変化する可能性もあります。

見捨てないことが大切です。

現場の安全確認が最も大切

蘇生ガイドラインでは蘇生のためのプロセスが重視されているので
簡単にしか書かれていませんが、現場の安全確認がもっとも大切です。

自分自身が二次災害に巻き込まれ状況を誰にも知らせることが出来なければ
共倒れです。

人を助けるために自分自身の安全を確保するのはいわば
条件のようなものだと思いましょう。

安全とは、自分がそこで寝ても大丈夫か思い浮かべてみる

そこに寝ても大丈夫と感じたらなら、安全です。
自分がそこで寝るのに不安を感じるのなら安全ではありません。

上から物が降ってきそうなら、安全ではないでしょう。
車が近くを横切ってきそうに感じるのなら、安全ではありません。
川が増水している土手で寝ることができるでしょうか。

そのような感じで自分が寝ても大丈夫か置きかえてみると
わかりやすいと思います。

もし倒れている人が安全な場所にいない場合の対処

方法は二つです。

一つは安全な場所に倒れている人を移動させ、安全な場所で応急救護を行うことです。
二つ目は、倒れている人の場所を安全にする方法です。

二つ目は、たくさんの人の協力が必要です。
一人ではできません。場合によっては周囲の人の協力では安全に出来ないかもしれません。
その時は倒れている人を移動させるように切り換えましょう。

理想は倒れている人の場所を安全にすることです。
何故なら、倒れている人を移動させることで症状や状態を悪化させるリスクが上がるからです。

倒れている人を助けるには色々なジレンマが現場にあります。
それがパニックや混乱を生む原因になるのですが、

今回アップルウォッチを使うことでパニックや混乱を減らし
判断を簡単にできるのではないかということです。

新しい人助けの方法

新しいアップルウォッチには心拍数を確認できる機能があります。
その機能を活用し、JRC蘇生ガイドライン2020を改良して
倒れた人の生存率を上げる方法ではないかと感じています。

※ 正規の方法ではありません。実際に行う際は自己判断でお願いいたします。
間違いや異論もあると思います。議論のきっかけにしてもらえると嬉しいです。

1 現場の確認
2 アップルウォッチの装着/心拍計測開始
3 アップルウォッチの回収
4 119番通報/AEDの手配/人を集める
5 場所の安全確保
6 出血の確認
7 アップルウォッチの装着
8 意識の確認
9 呼吸の確認
10 心臓マッサージ/人工呼吸(可能なら)
11 AEDの装着
12 9を繰り返す

この手順の最大の目的は
119番通報で精度の高い情報を素早く渡すこと
そしてオペレーターと連携しタイムラグを最少にすることが狙いです。

人を助けるのに時間がかかるのは安全確保に時間がかかります。
安全確保には現場の状況判断や周辺の人達の協力が必要になることがほとんどです。

同時に状況判断をするためプチパニックが発生し
倒れている人にとりかかりができるまでに時間かかってしまい
119通報では事故の場所と概要しか分からず、
欲しい精度の高い患者の情報が届かないといった問題があります。

そのために人よりも精度の高いもので計測した情報を
119番のオペレーターに連絡することで、救急車への状況連絡にもなり
救命率を高めることができると感じているからです。

1 現場の確認

目的はアップルウォッチを倒れている人に装着出来るかを確認します。
一瞬だけ安全な瞬間というのは現場ではよくあります。

寝ることを考えるには危険だけれど
一瞬であれば問題ないような状況はよくあると思います。

アップルウォッチを装着できるいとまがあるか
その時間分の安全性があるを判断するのがポイントです。

すでに倒れている場所が安全確保できているのであれば
問題ないと判断し次の手順に入ります。

2 アップルウォッチの装着

アップルウォッチは焦らず確実な装着が必要です。
時計を付けたら緩みがないかチェックしましょう。
そしてアプリを起動してください。

計測は2分~3分を目安にしましょう。

3 アップルウォッチの回収

安全を確保できていないため時計の回収だけを行います。
重要視するのは心拍があるのかを確認し自分の安全を守ることです。
そして119番通報で心拍の情報を何よりも速く伝えることを優先するためです。

4 119番通報/AEDの手配/人を集める

心拍の数値が低い場合、ない場合はすぐに連絡をします。
アップルウォッチでの計測で心拍が一般的な数値を出している場合でも
通報をするべきだと考えます。

通報後は電話を切らずに状況を伝え続けましょう。
協力者を見付けたら、電話を持ってもらい電話対応をお願いするのも方法です。

理由は今後、安全確保後に再度アップルウォッチを装着し心拍の計測を行い
倒れている人の状況を連絡しあうためです。

情報をもとにオペレーターから指示や意見をもらることができれば
安心できますよね。サポートを得られることが可能になり、
パニック状態から回復しやすくなります。

119番からの指示と言われれば、
他の人を説得する材料にもなりメリットは拡大します。

※ 心拍に問題なくても119番通報をする私見 すでに発見はら数分は経過しています。
アップルウォッチ装着をしている中でも反応がない場合、意識レベルは通報に値する低さだと感じています。
心臓の拍動は確認できても他の原因が考えられ、危険性は高いと感じ通報必要性はあると判断するからです。

5 場所の安全確保

安全の確保には時間がかかります。
人を集め、周囲の整理を行う必要があるかもしれません。

そこで自分が寝ても大丈夫な場所になるまで安全性を高めてください。

6 出血の確認

出血の確認はアップルウォッチの計測機能の精度を高めるために行います。
そして119番オペレーターへの情報を提供するためです。

出血の確認のポイントは二つです。
一つは目に見えて出血しているかの確認を行います。

倒れている場所の身体の周りに血だまりがあるか確認してください。
ドラマのようには広がりません。
大抵は服に血が染み込んで、地面に面している部分がびちゃびちゃになります。
ですので、倒れている人の地面部分を覗き込むように確認しましょう。

出血が確認できる場合は大量出血をしている可能性が高いので緊急性が高くなります。
119番オペレーターに確認した状況を伝えるようにしましょう。

もう一つはアップルウォッチを再度付ける手から出血していないかです。
腕を持ち上げてからいちど確認をしてください。

出血をしているようなら、アップルウォッチの心拍測定機能が正常に働かない可能性が高いです。
その場合は、アップルウォッチを付ける腕をもう一方の腕に変えてください。

可能なら止血を試みてください。
血に触れたくないや道具がないなどの場合はしなくても構いません。

※ 強く推奨しない私見 蘇生ガイドラインに止血に関しての試みがないため技術的な問題点や、
危険度の判定が難しいからなのではと感じていること含め止血処置に関する道具や感染症などの問題を考えられると、
判断が複雑でマニュアル化できないと感じたため。

7 アップルウォッチの装着

アップルウォッチを再び装着します。
しっかりとバンドをしめ、心拍数が計測できるようにしましょう。

倒れている人の様態は突然変化します。
AEDが到着するまではアップルウォッチがAEDの代わりの役割を担います。
199番オペレーターと繋がっていれば、逐次心拍の変化を連絡することにも繋がります。

8〜10 蘇生ガイドラインと同様

意識の確認から心臓マッサージまではガイドラインと同様です。
やることは変わりません。

アップルウォッチを付けていて、心拍が確認できても
意識の確認は行いましょう。

声を掛け続けることで意識が覚醒し
危険な状況から脱することもあります。

11 AEDの装着

蘇生ガイドラインでやることは変わりません。

AEDの装着に関する流れは変わりませんが、
付けているアップルウォッチはAEDの装着時に外すようにしてください。
AED装着時の注意事項と変わりません。

電気を流す際に時計が壊れる可能性があります。
AEDの性能も発揮されない可能性があります。

12 繰り返し

心臓マッサージを行うサイクルを繰り返します。
内用は蘇生ガイドラインと変わりません。
救急車が到着するまで続けましょう。

メリット

心臓マッサージから救急隊員到着までの時間短縮が期待できます。
ガイドラインよりも早い段階で119番通報を行っているため体感的な時間は早く感じるはずです。
心臓マッサージをする時間も少なくできます。

心臓マッサージを長時間行うのは20代の男性でも汗を垂れ流しながら行うような苦しさがあります。
そのような状況を避けやすいのがこの新しい方法のメリットです。

その他オペレーターと連携することで指示やアドバイスを受けることでの安心感や
周囲の協力を得やすいなどメリットがあります。

デメリットは最初のアップルウォッチ装着が蘇生ガイドラインよりもリスクが高いという点です。
自分が巻き込まれてしまうリスクが一番高く
最初状況で行動できるか、アップルウォッチを付けられる環境にあるかなど判断力が試されます。

もちろん正しい方法ではありませんが
使える道具が一つ増えることで、人を助ける可能性も高くなり
さらにパニックにもならずに済むならばこちらのやり方も有りなのではないかと
感じました。

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