簡易段ボールベッドで床冷えから家族を守る
災害に遭ってしまった時、大切なのは
今の安全を守ること、そしてその状況で生き抜くことです。
危険なのは夜。
夜、体力を回復させようとしても環境が良くないと
どんどんと体力を奪われてしまい、生存率が下がってしまいます。
ですので避難先での体力回復が、
災害時には次に大切なことになります。
夏でも危険な床冷え
季節が夏であっても夜は注意しなければなりません。
床冷えとは、体が地面に接している面から自分の体温を奪われてしまい
温度よりも下りすぎて体力を奪われる状況です。
体力回復の仕組み
睡眠時、人間の体は体温が低下します。
体の生理機能で睡眠時に自分の体の熱を放出する熱放散をし体温を低下させ
睡眠に備えるようになっています。
体には表面の体温と体の内側の体温(深部体温)の二つがあり
睡眠に影響を与えるのは深部体温の変化です。
深部体温が適切な状態になることで
体力の回復が十分に行われます。
逆に言えば体温が下がらなければ、体は回復できていないとも言えます。
どんな状況でもしっかりとした睡眠をとることは、明日を生き抜くために必要です。
そのために適切な睡眠を取る必要があるのですが、問題は冷えすぎる場合です。
床冷え
床冷えは、体の接地面から急速に体温を奪います。
すると、体が睡眠の体制に入る前に冷やされ、眠ってはいけないと危険信号を発します。
すると体は体の体温を保とう心臓を動かし血液を送り出しを繰り返すため
体が眠れるような状態ではなくなってしまうのです。
被災時の体力管理が二次災害を防止する
被災時は、精神的、肉体的疲労が積み重なっていくものです。
緊張状態で続いていて体力の消耗に気付きづらいのが問題です。
これは誰でもそうです。
緊張状態が過ぎた瞬間にどっと疲労が襲ってくることはありませんか。
それまで緊張状態で精神が肉体を凌駕している状態だったからです。
その緊張状態が終わったことで今まで溜まっていた疲労が溢れ出て
身体が動けなくなるのです。
一般的な遭難者が、何日も生き延びられたのも
人間の中にある本能が緊張状態を続け、
精神が肉体を凌駕し続けていた状態が続いていたことは間違いありません。
プロフェッショナルな自衛官は緊張状態でも体力回復を行えるようになっている
プロフェッショナルな自衛官はこのような緊張状態でも
体力が意識的に体力を回復できるようにトレーニングしています。
自衛官と呼ばれる緊張状態が続く中でも長期間ミッションをこなすことができる
体力、精神力を保つためです。
そのために様々なことを行っているのですが
床冷え対策です。
プロフェッショナルな自衛官は短い時間でも体力が回復できるように
トレーニングしています。どこでも眠れるのは、疲れているからでもありますが
どこでも眠れるように身体の状況を正確に捉えているとも言えます。
どのような場所でも体力を回復できるように
睡眠に入る時間の短さ、睡眠の質は重要な要素になります。
その対策で有効なのが床冷え対策です。
簡易段ボールベッド
床冷え対策で大切なのは、地面から浮いていることです。
夜であれば地面は身体よりも冷たくなります。
すると自然と地面は身体の熱を奪っていきます。
そうさせないために地面と身体を離す必要があります。
そこで役立つのが空気の層を作ることです。
熱を直接奪わせないために空気の断熱層を作るのです。
段ボールは、厚紙の間に空気の層があるために断熱効果が高く
冷たさを感じにくくなっています。
簡易段ボールベットはより高く空気の断熱層を作ることで
床冷えから身体を守ります。
今回紹介している簡易段ボールベットのメリットと感じた所を紹介します。
メリット
・断熱性の高い構造による床冷え対策になっている
・ベッドの段差があることで、地面との差を作り
土埃や泥などの汚れが口などから進入するのを減らすことができる
・衛生的な間仕切りになる
・個人のスペースを明確に切り分けることができる
・導入しやすいコストパフォーマンス
デメリット
・避難時に持ち運ぶには量が多く現実的に難しい
・避難所の収容人数分の備蓄と考えるとスペースを圧迫する
主に個人というより避難所の備蓄向けかと思います。
しかし一家族分として考えたとしてもベッドを作る材料としてはやや多い印象でした。
※収容人数分を考えると備蓄倉庫を圧迫してしまうのではないか。
そのように感じました。
ですが、一家に一つではなく別の形でしたら非常に
価値があるのではとも感じています。
簡易段ボールベッドの本当の価値
避難所に設置する処置室や、傷病者などの隔離スペースのベッドとして
被災時に誰もが無傷であったり病気にかからないといった状況は
まず間違いなくありません。
緊張状態が解ければ、緊張状態が緩和され免疫も低下します。
コロナなどのクラスター発生のリスクも消えません。
避難所では収容スペースの他に、
傷病者向けの臨時のスペースや隔離部屋がどうしても必要になります。
そのような場所では、非常に役立つのではと感じました。
簡単な処置を行うにも段差があった方が便利ですし
患者スペースとして物理的にコントロールも可能です。
このようなベッドを6〜10程度準備し、
傷病者用のスペースに展開するのは非常に役立つのではないかと感じました。